就任のあいさつ(要旨)
第7代会長 金林健史
私たちは、節句人形を始めとする日本人形類に係る関連産業の発展を図り、
我が国の伝統工芸産業の振興と国民生活の文化的向上に寄与する事を目的に、全国の製造業・卸売業・小売業を中心に約400社が加盟する団体でございます。
私たち日本人は、四季折々の節句を通じて、家族や祖父母、親戚の人たちと集い、その愛情の中で人と人との絆を深める機会に恵まれて参りました。
また、節句という節目があるおかげで、自然と向き合うために立ち止まるひとときを持つことも出来、そこから茶道・華道・日本画・俳句などのあらゆる日本文化が発達しました。
日本を表す言葉に、調和・平和の“和”があります。日本文化は和文化ともいいます。
しかし、昨今は生活様式の変化によって、なかなか節句の飾りもままならないということも聞かれます。少子高齢化や晩産化、核家族化によって伝承が途絶え、多種の外来文化が入るなど、四季の移ろいを楽しむ日本の節句文化の風習そのものが薄れつつあります。
さらには国際社会におけるグローバル化によって、日本人としてのアイデンティティーが問われるなか、日本の文化を知らない日本人が増えていることも危惧されます。
そのような現状において、私たちの責務として、また日本の伝統文化に携わる者の使命として生命を次代に伝え育んで行く事や、家族の大切さ、
伝統文化の継承、親が子を思う心など忘れかけている『日本人の心』を伝える一翼を担うというしっかりとした自覚を持ち、開かれた協会運営と節句行事の啓発と振興に努めたいと考えております。
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